[寄稿]「格差」は人ごとではない――オルタトレード研究会活動報告

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■オルタトレード研究会とは

野生ルイボスの刈り取り。南アフリカ北ケープ州で

野生ルイボスの刈り取り。南アフリカ北ケープ州で

21世紀社会が腰をすえて取り組まないといけない課題のひとつに貧困と格差があります。この問題は南側諸国(途上国)特有のものと考えがちですが、日本でも深刻さを増しています。(オルタトレード研究会代表・近畿大学教授=池上甲一)

ときならぬ「ピケティ・ブーム」(『21世紀の資本』を著したフランスの経済学者トマ・ピケティの来日を機に同書や関連本がベストセラーに)は、日本の格差が人ごとではないと多くの人が考え始めたからではないでしょうか。

オルタトレード研究会は、新自由主義的経済に基づく処方箋ではうまく対処しきれなかった貧困や格差の問題に対して、従来の枠組みを乗り越えようとする新しい経済への志向に注目し、その理論的・思想的な体系化とそれにもとづく政策的・実践的提案を目指しています。

特に、「徳の経済」という考え方に注目しながら、いわゆるフェアトレードを中心に研究を進めています。

発酵して赤色に変わったルイボス茶をkの棒で天日乾燥させる。(南アフリカ北ケープ州で撮影)

発酵して赤色に変わったルイボス茶をkの棒で天日乾燥させる。(南アフリカ北ケープ州で撮影)

わたしたちは2000年から、日本学術振興会の科学研究費の助成を受けてきました。1回目は「農水産物のオルタナティブ・トレードによる地域社会へのインパクト」、2回目は「オルタナティブ・トレードの普及可能性と消費者責任に関する比較研究」を取り上げました。

3回目は「フェアトレードによる貧困削減と『徳の経済』の構築に向けた理論的・実証的研究」という内容でした。

2014年からは「フェアトレードによるインパクトの地域間比較:『徳の経済』を念頭に」というテーマで研究を続けています。

2014年度にはすでに2回の研究会を開催しました。1回目は研究計画について、2回目はフェアトレードによるインパクの事例報告(ラオスのコーヒー、ベリーズのカカオ、フィリピンのバナナ、南アフリカのルイボス茶)を行いました。

今回、2015年3月7日に京都市のリサーチパークで今年度3回目の研究会を開催しました。その概要を以下にお知らせします。

なお、本研究会は公開です。関心をお持ちの方は是非ご連絡ください
(連絡先: ikegami(a)nara.kindai.ac.jp)。※(a)を@に変えて送信下さい。

■ケアの正義とグローバルな正義(第3回研究会報告)

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2015年3月27日(金)17:40

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