トランプ米大統領、次の標的は環境問題や風力発電か

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Wind Power代替エネルギーなど、役立たずのインチキと切って捨てるトランプ氏だが、中でも敵意をむき出しにするのが風力発電だ。「度を越して非効率的な上、二酸化炭素の削減にもほとんど効果がない」とし、役に立たないどころか環境破壊の元凶だと主張する。

風力発電に対する異常とも言える敵がい心の裏には、トランプ氏が建設業者だったころの恨みがあるらしい。トランプ氏はスコットランドに、海を臨む美しいゴルフ場を所有している。ある時、イギリス政府がゴルフ場の海沿いに巨大な風力発電施設建設を計画した。これに反発したトランプ氏は裁判を起こして数年間争い、計画は流れた。氏の風力発電嫌いはこの一件が関係しているとささやかれている。

そんなトランプ氏が支持するエネルギーは石油だ。何しろ二酸化炭素排出など大嘘と思っているのだから、石油をどれほど使いまくろうとまったく意に介さない。エコロジー推進派が反対している国内の油田やシェールガス掘削も、すでに数年前から強力にサポートする姿勢を見せてきた。

トランプ大統領の誕生で、オバマ政権で盛り上がったエコロジー機運が今後一気にしぼんでいくことは間違いない。株式市場はその辺りをすでに織り込んでいる。ソーラーパネル大手、ファーストソーラーはトランプ大統領誕生が決定した翌日の11月9日(現地時間)急激に下がりはじめ、6.5%まで下落した。

風力発電タービンメーカー、ヴェスタスウインドシステムズは10%、ソーラーメーカーのサンパワーは実に18%の大暴落、その他のエコビジネスも軒並みダウンしている。一方、突如の暴騰が起こったのは米国最大の石炭会社ピーボディ―。経営悪化が伝えられた企業だが、トランプ大統領誕生後何と50%近く値上がりした。

トランプ氏はオバマ政権が提案した「クリーンパワープラン」を白紙に戻すと明言している。入国禁止という蛮行さえ行うのだから、反エコロジー政策を実行しないと考える方が不自然だ。オバマ大統領が積み上げたエコロジーのレガシーは、オバマケアと同様消滅してしまう可能性がある。トランプ政権下、世界のエコロジー運動は崖っぷちに立たされているのだ。

 

岩下 慶一(いわした・けいいち)

ジャーナリスト、翻訳家。ワシントン大学コミュニケーション学部修士課程修了。米国の文化・社会をテーマに執筆を行っている。翻訳書に『みんな集まれ!ネットワークが世界を動かす』『幸せになりたいなら幸福になろうとしてはいけない』(ともに筑摩書房)、『マインドフル・ワーク』(NHK出版)などがある。

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2017年2月1日(水)19:11

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