「青森をあきらめたくない」性的少数派女性が立候補

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青森市の市議選に立候補した岡田美穂

10月28日に投開票される青森市の市議選に、東京から移住した性的少数派の当事者が立候補する。性暴力被害者支援団体レイプクライシス・ネットワーク(RC-NET)代表の岡田実穂だ。(ライター・遠藤一)(敬称略)

岡田は2014年に、パートナーである宇佐美翔子の故郷である青森市に「Iターン」。青森駅前の商店街の店で、様々な当事者が集うコミュニティカフェバーの運営を始めた(現在休店中)。

「RC-NET」の活動を行いながら、カフェバーを運営する二人の元には、性的少数派や性暴力被害者、メンタルに問題を抱えた人など、様々な人の相談が持ち込まれてきた。

2014年当時、市長に手紙を書くなど働きかけ、性的少数派の相談窓口設立を求めた。議会で取り上げられたが、返ってきた答えは「青森ではそういった人たちの存在は確認されておりません」。

「行政を頼りにはできない、自分たちで歩きだすしかない」と、同年4月に岡田は宇佐美ともう一人のたった3人で、青森駅前で「(性的少数派は)この町にもいるんだよ」と「第一回青森レインボーパレード」を行った。

パレードは毎年行なわれ、今年は180人近くと大規模なものとなった。「一人の声は小さくても、その声を聴いてくれる人はいると思えるようになった」と岡田は言う。

岡田の元には、男性の性暴力被害当時者からの相談も来る。これも支援窓口の要望を訴えたが、議会では「男が被害に合うなんて」と、多くの笑い声が起こったという。結果、何の対応もされなかった。

地道な活動の中「このままでは青森は変わらない」と感じていた移住5年目の4月、パートナーの宇佐美に直腸ガンが発見された。「以前から青森で政治家になろうと、二人の中でちょっとした約束みたいなものがあった。それを早めようと思った」。準備期間は数カ月しかなかったが、4年後の次回を待つより今回出馬することを決めた。

「青森だから仕方ない。青森では何も変わらない」と、多くの若い当時者たちが町を去っていく現実を岡田は多く目の当たりにしてきた。街頭演説に立ち、岡田は言う。「彼らが帰ってこられる町にしたい。様々な生き方をする皆の声を聞き取り、届けたい。青森を、希望を持てるあきらめないですむ町にしたい」。

議席定員は35席、岡田を含め39人の候補者が立つ。

2018年10月23日(火)18:10

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