東洋経済CVS記事に補足したい「ソフトロー」視点

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CSR検定の公式テキスト(3級)では1)と2)を「狭義のコンプライアンス」、3)を「広義のコンプライアンス」と明確に区別しています。日本企業は、残念ながら「広義のコンプライアンス」に鈍感なのです。

ソフトローは「柔らかい」イメージなので、企業にダメージが少ないと思われがちです。でも実は、ソフトローは意外と恐ろしい存在です。

例えば船場吉兆は2007年、産地偽装や「食材の使い回し」が発覚し、社長と母親による記者会見が話題になりました。決定打は「食材の使い回し」ですが、実は食品衛生法では、同行為は禁止されていません。にもかかわらず、同社は翌年、精算(破たん)するに至りました。つまりソフトローが一つの会社を社会的に葬り去ったのです。

その10年前の1997年、ナイキが委託するインドネシアやベトナムなど東南アジアの工場で、低賃金労働、劣悪な環境での長時間労働、児童労働、強制労働が発覚しました。これを機にアジアや米国のNGOがナイキを批判し、世界的な製品の不買運動に広がったのです。

児童労働は現地の生産委託先企業に法的な責任があり、ナイキも、直接的には法令違反をしたわけではありませんでした。しかしナイキも「ソフトロー」で大きな経済的な打撃を受けました。

当時、日本ではあまり報道されませんでしたが、ナイキが不買運動で失った売上高は5年間で1.3兆円以上、連結売上高の26%に相当に達しました。

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2019年3月6日(水)2:40

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