優等生的だが野心的ではない花王の「ESG戦略」

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「20年ほど前のこと。当時社長だった丸田芳郎さんのところに資金運用担当者が『何十億円も利益を出した』と喜び勇んで報告に行きました。ところが、褒められるどころか、一喝されたのです。丸田さんは『うちはモノを売って得た1円、2円を大切にする会社だ。財テクは必要ない』と。花王のDNAは『よきモノづくり』に尽きるのです」

その花王が4月22日、2030年に向けたESG(環境・社会・ガバナンス)戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイ・ライフスタイル・プラン)を発表しました。参考記事「花王が新ESG戦略、2030年にハードボトルほぼ全廃」

その中で、シャンプーやリンスなどプラスチック製のハードボトル型容器を2030年にはフィルム容器にほぼ切り替えるなど、新技術を駆使した環境負荷の低減を目指すといいます。

花王のボトル型商品の国内販売量は約10億本で、このうちハードボトル型が約2億本、フィルム型詰め替え容器は約8億本。同社は詰め替えを飛躍的に簡単にした「らくらくecoパック」や、空気を内包したボトル型のフィルム「エアインフィルムボトル」など「環境負荷が低い容器の生産個数を2030年に3億本にする」計画です。

花王はDJSI(ダウ・ジョーンズ・サステナブル・インデックス)に2014年から連続してワールドクラスに選定されたり、FTSE4Good グローバル・インデックスに2008年から連続して選定されたりなど、ESGの取り組みを高く評価されてきました。いわば「ESGの優等生」です。

ただ、今回の「Kirei Lifestyle Plan」では、その温室効果ガスの削減目標は、「2017年比で22%減」(ライフサイクルベース)にとどまり、野心的な長期目標とはなりませんでした。

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2019年4月25日(木)2:19

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