編集長コラム)「ちいきん会」という大きなうねり

その二人とは総務省から神奈川県庁に出向中の脇雅昭さんと、金融庁の菅野大志さんです。お二人とも30代のミレニアル世代。脇さんに「ビジネスと金融で社会課題を解決したいのですね」と振ると、「いえ、愛です!」と明るく返されました。

脇さんがこのようなキャラクターになったのは、お父さんを早くに亡くされ、命の大切さを知ってからだそうです。「人生という限られた時間を使って、世の中をもっと良くしていきたい」と力強く話していました。

イベントには遠藤俊英・金融庁長官や環境省の幹部ら、先輩の官僚たちも来ていましたが、この二人は臆することなく、長官を「遠藤さん」と呼び、会場を盛り上げます。ちいきん会では地位も肩書も関係ないのです。

二人は、ちいきん会を立ち上げたきっかけをこのように説明します。「自治体では社会課題の解決に熱意がある若手職員が多い。そこで、公務員と金融マンが気さくに交流し、共感できる人をつなぎ、いつでも相談できる環境を作りたい」。

会場では、信用金庫の理事長がカステラを自ら売るなど、それぞれの地域の名産品を持ち寄り、まるで文化祭のような雰囲気でした。

森 摂(オルタナ編集長)

森 摂(オルタナ編集長)

株式会社オルタナ代表取締役社長・「オルタナ」編集長 武蔵野大学大学院環境学研究科客員教授。大阪星光学院高校、東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。編集局流通経済部などを経て 1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2006年9月、株式会社オルタナを設立、現在に至る。主な著書に『未来に選ばれる会社-CSRから始まるソーシャル・ブランディング』(学芸出版社、2015年)、『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年)など。環境省「グッドライフアワード」実行委員、環境省「地域循環共生圏づくりプラットフォーム有識者会議」委員、一般社団法人CSR経営者フォーラム代表理事、日本自動車会議「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」選考委員ほか。

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