生分解性プラスチックは本当に分解するのか(上)

生分解性プラスチック(生分解性プラ)という言葉をよく聞くようになった。すぐに分解してなくなりそうなイメージを持つが、フィリピンの海岸に打ち上げられたクジラの腹から生分解性と書かれたレジ袋がそのままの形で見つかった事例もある。生分解性プラは本当に分解するのだろうか。(オルタナ編集委員・栗岡理子)

クジラの体内でも分解できなかった生分解性プラ

日本で生分解性プラスチックが知られるようになったのは、2005年の愛知万博のころからだろう。同万博で、生分解性プラスチック製の食器や生ごみ回収袋が採用されたのが先駆けとされている。

日本バイオプラスチック協会によると、生分解性プラスチックとは「使用中は通常のプラスチックと同じように使えて、使用後は微生物の働きによって最終的には水と二酸化炭素に分解され、自然に還るプラスチック」のことだ。

同協会では、一定の条件下で3カ月間で6割以上が分解するものに認証を与えている。

しかし、現在、多くの国で実用化が進んでいる生分解性プラスチックの大半は、野外で自然に分解するわけではない。産業用の堆肥化施設のような微生物が活躍できる条件、つまり温度や湿度、酸素などが適度に揃わった場所で分解するのだ。

産業用の堆肥化施設では、60℃程度に加温したり、適度に土を切り返す。切り返す度に水分を補給することで、適度な湿度も保たれる。

自然界にはそんな都合のよい場所などないから、自然環境中での速やかな分解は期待できない。まして海に流れ込めば、ごく一部の製品を除き、分解は難しい。

2019年3月にフィリピンの海岸に漂着したクジラの死骸から大量のプラスチック袋が見つかった。その中には「生分解性」と書かれたレジ袋も見つかった。クジラの体内でも分解しなかったようだ。

家庭用生ごみ処理器で分解する生分解性プラが登場

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栗岡 理子
1980年代からごみ問題に関心をもち、活動しています。子育て一段落後、持続可能な暮らしを研究するため、大学院修士課程に進学。2018年3月博士課程修了(経済学)。専門は環境経済学です。

2019年12月11日(水)11:42

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