「スマート林業」よりも先にすべきこと(田中淳夫)

■オルタナ本誌60号 「森を守れ」が森を殺すから

林業で近頃流行りのキーワードは、スマート林業である。これはGIS(地理空間情報)やICT(情報通信技術)、さらにAI(人工知能)といった先端科学技術を活用することで生産性を向上させるとともに、従事者の労働環境の改善につなげる次世代の林業である。

具体的には、レーザーで山にある木の1木1本のデータを一瞬で計測する、ドローンで測量して作業道ルートを自動的に設計する、原木の質(曲がりや強度、密度など)を伐採時に計測する、無人木材運搬機で労力も減らして生産性を上げるなどさまざまな目標が掲げられて技術開発が行われている。

結構なことである。研究はどんどんやってほしい。だが、それらの最先端機器の価格はいかほどになるだろう。高性能林業機械は、1台数千万円が当たり前。億単位も珍しくない。ソフトも安くないし、扱うにはそれなりの学習が必要だ。

自動で動くといっても最初に設定するのは人間であり、間違えれば事故にもつながりかねない。果たして採算が合うのか。補助金を頼りに導入するのでは本当の経営とは言えないだろう。

*この続きは雑誌「オルタナ」60号(第一特集「循環経済(サーキュラーエコノミー)はR(リサイクル)よりもR(リデュース)」、3月30日発売)に掲載しています。

2020年5月22日(金)14:55

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