脱「おじさん」が競争優位:OECD東京センター所長

多様性なき企業 市場から淘汰
今回、コロナ対策に成功した国では、政府の意思決定のプロセスを参考にした、ダイバーシティを強化した企業が生まれる可能性は十分にある。だが、コロナ収束後も、いまだにダイバーシティを死活問題だと認識できない企業は、自然と市場から淘汰されていくだろう。

コロナ後の社会で企業がダイバーシティ化を推進するためには、重要なポイントが3つある。一つは、リーダーの周囲にいるアドバイザーが、ステークホルダーの男女比や年齢などを反映しているかどうかだ。例えば日本の人口の半分は女性だ。それなのに、首相のアドバイザーに女性は何人いるだろうか。

二つ目は、日本独特の終身雇用、年功序列の制度にメスを入れることだ。女性が結婚して子どもを持つと、どうしてもこの制度から徐々に排除されていく。成果に基づいて評価するジョブ型雇用へのシフトが、経済合理性につながると認識すべきだ。

最後は、テクノロジー化への適応だ。テクノロジーで、働き方が大きく変わった。旧来の知識や仕事のやり方に固執する「おじさん」社員は分岐点にいる。個人の意識改善も必要だが、会社側も、おじさん社員に新しい学びの機会を与えるべきだ。

同時に評価基準の客観性を高めるべき。「飲みニケーションに長けているから」という理由で評価するのは論外だ。おじさん社員が新しいスキルを得れば、年齢問わず、様々なチャンスが会社から与えられる。競争優位性につながっていく。 (談)

村上由美子 OECD東京センター所長。
上智大学卒、ハーバード大学院経営修士課程(MBA)修了。ゴールドマン・サックスを経て、2013年から現職。OECDの日本およびアジア地域の政策提言を行う。

*そのほかの「FEATURE STORY 新型コロナと持続可能性」は雑誌「オルタナ」61号(第一特集「新型コロナと持続可能性」、6月30日発売)に掲載しています

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2020年8月26日(水)18:54

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