しかし、SWDCはカンボジアの農山村地域の女性たちで立ち上げたために、販路を持たない。かつてはアメリカのNGOなどが販路を担っていたが、リーマン・ショックの影響で、その販路をほとんど失ってしまった。
ポレポレの高橋邦之代表は「SWDCは読み書きができない女性が尊厳を持てる場であり、彼女らは職人として働ける喜びを感じながら朝から晩まで働いている。彼女らが作り出す手織りシルクスカーフは、日本の染色堅牢度試験でも4-5級を獲得するほどの高品質なんです」と話す。
販売する手織りシルクスカーフは20種類以上あり、女性だけでなく男性でも着こなせるデザインを揃えている。スカーフのサイズは約180×50センチを想定し、価格は1万5000円から2万円ほどを予定。販売は4月8日からオンライン上で行われ、最初は受注を受けてから制作する形になる。
スカーフの売り上げは職人の女性たちの識字教育や、子どもたちの学校に通うための費用・物品の支援、託児所の運営など労働環境の整備に使われる。
高橋代表は「SWDCの素晴らしい活動を日本にも知らせたい。今後はネクタイなどのシルク製品の開発支援も考えている」と語る。(オルタナ編集部=副島久仁彦)
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