高校生と企業つなぎ、キャリアデザイン描く

第1回の「ゆめっと」の様子

MET-next-(メットネクスト)は、高校生と企業をつなぎ、高校生のキャリアデザインを目指す非営利団体だ。慶應義塾大学法学部に通う前田遼介さんが2012年2月に立ち上げ、代表を務めている。メンバーは大学2年生以下で構成され、総勢30人。「高校生が夢と出会う場」を作るため、「ゆめっと」と名付けたイベントを開始した。

前田さんは、高校生が将来の夢や目標を描けないまま受験戦争に突入し、進学先でも目的意識を持てずに漫然と学生生活を送っていることに危ぐの念を抱いた。大学生活も気付けば焦る気持ちを抱えながら就職活動の荒波に飲まれてしまう。

「目先のことに囚われてしまう原因は、先が見えない不安です。ならば、高校生のうちから将来の自分の姿を思い描くことで、その不安は解消され得るのではないでしょうか。それは日々の生活や勉強に対するモチベーションの向上にもつながります」(前田さん)

そうした問題提起を踏まえ、知り合いの高校生や、ブログやtwitterなどで検索して見つけた「夢を持っている高校生」にインタビューを始め、同団体のサイトにアップしてきた。

10代の復興支援団体Teen for 3.11を設立した高校生や、全国の生徒会が集まって討論する「全国生徒会大会」を企画・開催した高校生など、同世代を刺激する面白い高校生たちだ。

今年5月11日には、1回目の「ゆめっと」を開催。公募で集まり、抽選で選んだ40人の高校生を読売新聞社内に招き、新聞記者4人と出会わせた。

関東を中心に和歌山からも高校生が参加し、新聞の読み方のレクチャーを受けたり、高校生同士が議論して「高校生が作る新しい新聞を作りたい」「幸せをくれるステキ写真を入れた新聞がいい」などの意見が交わされた。

記者側も高校生の発想に驚かされ、「ぜひ2回もやりましょう」と言った。

「ゆめっと」の第2弾は、リクルートホールディングス社内で6月1日に開催予定。参加希望の高校生を募っている。

「今後は、関東だけでなく全国各地で地域の高校生と大学生が地域の企業と出会えるチャンスを作ったり、ゆめっと参加者には高校生自身が同世代の夢を持っている高校生へインタビューする支部を運営してほしい」(前田さん)

(今一生)

◆MET-next-

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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