海水の表層水と深層水の温度差を利用して発電する「海洋温度差発電(OTEC)」の実証実験が、4月から沖縄県久米島の県海洋深層水研究所で始まった。出力は50キロワットで、16日には発電した電力を自家消費するための「通電式」が行われた。
OTECは海の温かい表層水と冷たい深層水の温度差を利用する自然エネルギー。アンモニアなど沸点の低い液体を「作動流体」に使用し、表層水で温めて気化した作動流体がタービンを回して発電した後、深層水で冷やされて再び液化する、というサイクルを繰り返す。このため、表層水と深層水の温度差が大きいほど発電に適している。
このため表層水の温度が年間を通じて26~30度に保たれ、深層水との温度差が20度以上ある熱帯や亜熱帯がOTECに向くとされており、沖縄もその適地の一つ。
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