――活動資金はどのように得ているのでしょうか。
資金源の半分は支援、つまり賛同組織などからの寄付で、残り半分がラベルの使用料です。漁業者が支払う審査料は全く入りません。認証制度においては、審査と認証の主体を明確に分けることが重要です。科学者が第三者の監視のもとで漁業を厳密に審査してレポートを公開します。
さらに流通・加工側にもMSC商品を扱うためのCOC認証制度を設けて、ラベルの不正使用を防止しています。透明性と公平性を確保するためのチェックを徹底して、信頼を得てきました。
――MSCによって実際に資源量が回復した例はありますか。
欧州のマクドナルドが、メニューに使うすべての魚を2011年からMSCの魚に切り替えました。例えば東バルト海のタラ漁業は、MSCを取得してマクドナルドと契約した結果、持続可能な形で漁を継続できて、資源枯渇の危機を脱しました。
2013年1月には、米国のマクドナルドでも同様の取り組みが始まりました。欧州は7000店舗ですが、米マクドナルドの店舗数は、その倍です。それだけMSCのロゴが消費者の目に触れるチャンスも増えたのです。