エネルギーの公営化求め、独ハンブルクで市民投票

ドイツ国内の送電線

ドイツ第二の都市ハンブルク(人口170万人)で22日、市民投票が行われ、市がエネルギー供給権を買い戻すべきという意見が50.9%と僅差で勝った。市長や労働組合、経済界は反対していたが、市民は公営化を支持。市は投票結果を真摯に受け入れ、買い取りの準備を進めるとしている。(独ハノーバー=田口理穂)

今回対象となったエネルギーは、電力、ガス、地域暖房。これらのエネルギー供給権は自治体が20年に一度契約更新をし、同市では2014年が期限切れとなる。

現在、大手電力会社ヴァッテンファルが請け負っているが、環境団体など45以上の組織が協力し、2011年7月に署名を集め、今回の市民投票に持ち込んだ。

しかし、投票結果が最終決定ではない。供給には送電網を買い取る必要があり、財政難が予想されるほか、電力会社は法的に問題がないか審査するとの姿勢だ。

エネルギー供給を市民の手に取り戻そうという動きは2007年ごろから全国に広まっており、すでに200の自治体が公営化。11月には首都ベルリンでも市民投票が予定されている。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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