記事のポイント
- 不確実性が高まるVUCS時代には、企業はグローバルリスクにどう対応すべきか
- AIの台頭やSNSを通じた偽情報の拡散など、リスクの性質も変わってきた
- 定期的にBCP(事業継続計画)を最新の状態に見直し、訓練することが重要だ
世界経済フォーラムの「グローバルリスク報告書2024」では、短期的には「誤報と偽情報」、長期的に「異常気象」が最も重視すべきリスクとして選定されました。今後、世界が直面する可能性の高いリスクに対し、いかにレジリエンスのある世界を築いていくのかという道筋となるものです。では、私たちは不確実性が高まる今、どう備えていくべきでしょうか。(シスメックス 内部統制室長=岡田紀子)
昨今、AIを当たり前のように使う時代となり、SNSを通じ偽情報が拡散されるなど、リスクの性質も変わってきています。また、自然災害が世界各国で発生し、国家間紛争も相次ぎます。
その中で不確実性を想定し、企業にどのような影響があり、リスクをどれだけ低減できるか、そのために平時から何をすべきかについて、自社の事業内容に合わせた分析を行い、対応することが重要です。
新型感染症拡大の際には、半導体不足も発生し、製品供給に支障が出たケースや国家間紛争により原材料が高騰し、収益に悪影響をもたらした例など、企業に大きな影響がありました。
リスクを無くすことは不可能ですが、リスクを低減できる施策はあります。定期的にBCP(事業継続計画)を最新の状態に合わせて見直し、マニュアルの再整備、そして訓練も重要になります。
羽田空港での飛行機衝突事故が、日頃の訓練の重要性を改めて教えてくれました。少なくとも年に一度の訓練は必要です。
BtoB、BtoC企業を問わず、ステークホルダーへ安定的に製品やサービスを継続的に供給することが重要であり、いかにリスクを低減し、レジリエンスの高い社会を創り上げていくかが、企業に問われています。