
ローカルズを大々的にサポートしているのは、国内のコーヒーロースター兼カフェの老舗、カフェ・ラファールだ。コーヒー豆を無料提供しているだけでなく、バリスタも派遣。ローカルズで飲むコーヒーは、お金を払ってカフェで飲むものとまったく変わりない。
ポップアップ(期間限定)店舗で週に1度2時間程度の営業だが、1日で平均100~120缶も集まるという。
善意は善意を呼ぶもので、オークランドでは、あるベーカリーが焼きたてのクロナッツ(クロワッサンドーナツ)を寄付。「コーヒーと一緒にクロナッツをどうぞ」と宣伝すれば、集客に役立つだろうと配慮し、提供してくれた。

「缶詰一つ」という条件をよそに、スーパーのレジ袋いっぱいに持ってくる人、缶詰以外の保存のきく食料を持参する気の利いた人、中には手作りジャムを55瓶も携えてきた人もいた。このように、ローカルズの活動は共感を呼び、誰の心にも宿る寛大さを引き出すことに成功している。
創始者たちは、国内はもとより海外のコーヒーロースターも、ぜひこのシステムを利用して、困っている人を助けてくれればと考えている。オークランドの例のように、人の優しさは伝播するもの。世界のさまざまな場所で、その土地の「ローカルズ」を中心に、思いやりの輪を広げていってほしい――それが彼らの願いだ。