
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の総会が3月25日から横浜市で始まった。日本での開催は初めて。これを機に、環境省は26日に新たな気候変動キャンペーン「Fun to Share」を立ち上げた。(オルタナ編集委員=瀬戸内千代)
都内で開催されたキックオフ・イベントで石原伸晃環境大臣は、「手を取り合って楽しくワクワクしながら」世界に誇れる日本発のライフスタイル・イノベーションを起こそうと呼び掛けた。
登壇した林文子横浜市長や日本経済団体連合会の米倉弘昌会長、日本労働組合総連合会の古賀伸明会長、企業や自治体首長会の代表や著名人など約20人は、団体や個人として、低炭素社会を目指す取り組みを宣言した。
環境省は同時に「IPCCリポート コミュニケーター」事業も開始した。IPCCの第5次評価報告書に基づく信頼性の高い気候変動の現状を広められる人材を積極的に養成していく。
コミュニケーターになった気象キャスターや地球温暖化防止活動の推進員らは、口ぐちに「気候が変わってきている」「理屈より行動の時」と強調した。また、「未来のコミュニケーター」として登壇した全国各地の高校の新聞部員10人は、「日本の四季をなくさないためにも、まず同世代に広めていきたい」などと宣言した。
環境省はこれまで、「チーム・マイナス6%」や「チャレンジ25」など温室効果ガスの削減キャンペーンを展開してきた。今回の「Fun to Share」は環境技術や製品・サービスのシェアを主眼とした国民運動で、数値目標は掲げていない。