色とりどりの様々な種類のミニトマトを集めて商品化。パッケージデザインは宝石箱を意識し、黒色を使用した

高田代表は2008年から野菜の宅配サービス「ふるさと野菜のおすそ分け」事業を開始。限界集落の高齢者が、自家用に栽培する野菜に手紙を添えて、都会の消費者に届けている。

「限界集落は、農業が一番疲弊している場所。しかし、高齢者は農業歴が最も長く、野菜をおいしく育てる技術と智恵を持っている。そこを評価し、価値を付ければ、多少高額でも消費者から選ばれる。生産者も発言権が持てる流れを、ここからつくりたい」と意気込みを語った。

植物生命科学科の古本強教授(就任予定)は、「父が退職後、限界集落に住んで農業を始めた。長く農業を営む地域の方は、父に野菜作りのコツを教えてくれる。このように身近なところから教え合える関係ができると、地域も盛り上がってくるのでは」と話す。

食品栄養学科の山崎英恵准教授(就任予定)は、「『おいしさ』は、人間の脳が経験や情報をもとに判断する。野菜を作った人の顔が見えると安心感があり、野菜のおいしさに寄与する」と高田代表の取り組みを評価。

「近ごろは『価格が安くて、量が多いからおいしい』という風潮がある。消費者側も食べ物の適正な価格を知り、正しく味覚を育てるトレーニングが必要」と続けた。

また、資源生物科学科の玉井鉄宗講師(就任予定)は「作物を販売するため、作業の効率化が求められている。しかし化学肥料を過剰に投与すると作物は病害虫に弱くなり、農薬が必要になる。これらの投入量とタイミングがわかる診断システムを作り、持続可能な農業に役立てたい」と意欲を示した。

香川教授も「ビジネスの感覚と自然環境への配慮。持続可能な農業には、これらの共存が今後の鍵となる」と同意。

最後に高田代表は「農産物の大きさが不安定でも、加工品にまわせる。野菜を売るというよりも、最初から加工品を販売する考えがあっても良い。農業の不安定な部分を加工で解決できれば安定した食の循環につながるのでは」と述べた。

全6回シリーズの第3回は、2014年6月20日グランフロント大阪で開催。テーマは「日々の生活から創りだす食の循環」。ゲストに半農半X研究所、塩見直紀代表を招く。USTREAMによる配信と、一般からの観覧者募集も予定している。

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