日本製紙、凸版印刷、花王の3社は6月28日、バイオマス原料を使用した包装材料の開発を共同で行うと発表した。生分解性や耐熱性に優れ、酸素を通さない高機能樹脂フィルムの実用化を目指す。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ナノテク・先端部材実用化研究開発プロジェクト(ステージⅡ)に採択された。
原料には植物細胞の繊維の主成分であるセルロースを使用。「TEMPO酸化」と呼ばれる工程で繊維をナノレベルにまで細かくほぐした「セルロースナノファイバー」とすることで、触媒や吸着剤として効果を発揮し、強度や弾性に優れる。セルロースは木材などに多く含まれ、生産や廃棄の過程で環境負荷が低いメリットもある。
今後3社は連携して木材原料の選定、製造技術や品質の向上、製品の性能評価などの研究開発を推進する。