過去の大震災から学ぶ、「マンション防災」のあるべき姿[荒 昌史]

災害が一度起きると、復興への道のりは簡単なものではありません。被害そのものを減らす、「防災・減災」が注目され、特にマンションなど集合住宅での対応が求められています。一方的に救助を待つだけでなく、いざという時に適切な避難行動をとれる「よき避難者」を育てるため、過去の災害から学ぶワークショップやフォーラムを開催します。(HITOTOWA INC.代表取締役=荒昌史)

3月14日〜18日に仙台にて国連防災世界会議が開催される
3月14日〜18日に仙台にて国連防災世界会議が開催される

阪神・淡路大震災から20年。先週末は、当時に思いを馳せた方も多くいらっしゃるのではないかと思います。

遅ればせながら、この震災により亡くなられた6,434名もの方々に、謹んで哀悼の意を捧げるとともに、深い悲しみのなかで困難を乗り越えてこられたすべての被災者の方々に、心より敬意を表します。

そして、まだ復興への道のりは続いているという事実を忘れないこと、さらに大震災の教訓をこれからの防災減災に活かすことが、とても大事だと思っています。

阪神・淡路大震災から10年後の2005年、「国連防災世界会議」が兵庫で開かれたことをご存知でしょうか。この世界会議にて「兵庫行動枠組」が採択され、2005年から2015年の世界的な防災減災の指針が定められました。

そして、今年3月には10年ぶりに仙台の地で「国連防災世界会議」が開催されます。私もそこで、マンション防災についてのパブリック・フォーラムを開催します。

■ 20年もの歳月を経て、心と暮らしの復興実感度は8割以下

先日NHKのニュースで、阪神・淡路大震災の被災者に対して行ったアンケート結果を目にしました。震災20年を機に、NHKが被災者や家族にアンケートを行い、928人から回答を得たものです。

こちらによると、「くらし」や「心」がどの程度復興したと感じるかについて、震災前の水準を「100」とした「くらし」の平均は「77」、「心」の平均は「79」という結果が出たそうです。また数値として「50」以下を記入した人の割合は、いずれも1割を超えたということでした。

震災の発生から20年を経ても、復興の実感度という意味では8割に満たず、さらに1割以上の方々が震災前と比べて半分以下の「くらし」や「心」の状態を抱えている。改めて、震災がもたらす傷は大きく深いものだと痛感します。

■ 防災減災対策を行い、復興への近道を

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