キリンビールは、福島産桃の果汁を使用した「キリン 氷結 福島産桃」を3月3日から全国で発売する。東北復興支援の一環で、福島県産の和梨を使用し、2013年から期間限定で販売している「氷結 和梨」に続く商品となる。同社は、福島産の桃を使用することで、福島の農家を支援していく。(オルタナ副編集長=吉田広子)
キリングループは、事業を通じて社会と共有できる価値を創造する「CSV」(クリエーティング・シェアード・バリュー)を経営の中核に置く。福島の農業を支援する同商品は、CSVを体現している。
キリンビールは、これまでも、宮崎県産の日向夏や徳島県産すだちなど各地域のこだわりの果実を使った「氷結」を発売し、地域活性化につなげてきた。
福島は、全国2位の桃の生産量を誇るが、福島第一原発事故の影響で、桃の価格は大きく下がった。日本銀行福島支店の調査によると、桃は、震災直後に他県産との価格差が大きく拡大し、最安値時には1kg当たり100 円台まで落ち込んだという。2012 年には 300 円台まで回復したが、8月の最盛期における他県産との価格差はいまだ大きいとされる。
同社が実施した調査では、「氷結」で飲みたいフレーバーの第1位が桃だったという。こうした人気のフレーバーを販売することで、同社は、果実の魅力を全国へ伝え、復興支援につなげたい考えだ。
「キリン 氷結 福島産桃」は、350ml缶、500ml缶の2種類で展開される。