国際社会が問題としているブッシュミートの問題の背景には、少なからず、戦争や紛争などの社会的混乱があり、人権蹂躙の日常化、貧困と格差、飢えが横たわっている。そしてそこには差し迫った生物多様性の危機があり、深刻な環境問題が存在する。

同じように野生動物の肉を食用とする、と言っても、日本でのジビエとは全く位置づけは違う。シカやイノシシなど、増えすぎた野生動物の駆除にあたり、駆除コストの一部に充当するためや、地域の産品化、動物の命を有効に活用すること、などの趣旨から、肉を利用しようというものとは全く反対だ。

ブッシュミートの問題を考えると、生物多様性保全も、CSR活動などと同様、結局は、持続可能な社会を次世代に伝えていくための活動の、一つの切口なのだ、ということを痛感する。

COP12では、「ミレニアム開発目標」を引き継ぐ、「ポスト2015年開発アジェンダ」に、「生物多様性の保全」を「持続可能な開発目標」の重要な要素として統合するよう求めた「カンウォン宣言」に全会一致で合意した。

生物多様性の保全は、貧困問題を始めとする人類の抱える課題解決のため、決して無関係なものではなく、一体となった取り組みが求められるものであることが、改めて国際社会において確認された。

バルディーズ研究会通信 164号より抜粋加筆

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