■子どもの権利とビジネス原則(CRBP):原則2
すべての企業は、
「すべての企業活動および取引関係において児童労働の撤廃に寄与する」
■業界全体・地域をあげたバリューチェーンでの対応が必要
児童労働の撤廃は、自社のサプライチェーンだけではなく、取引先やOEMメーカーも含むすべてのバリューチェーンにて対処されなければならないとCRBPの原則2は示す。「ビジネスと人権(1)」でも取り上げたイケアの事例 “IWAY”では、取引先も児童労働撤廃の行動規範を守るべきと明記している。
多くの企業の生産拠点である途上国の場合、行政による情報管理システムが脆弱であるため、子どもが年齢の詐称をして職を求めるケースもよく見られるという。その場合の対処法も含め、自社の職員や取引先への研修を通じて組織の措置能力を向上することが必要である。
一方、児童労働は地域の課題であり、一社で対応するには限界がある。業界全体、または地域ごとに児童労働撤廃やディーセントワークの方針や行動規範を策定する。そして、実施やモニタリングにおいてNGOと連携し、一社を超えてより多くの職場の人事部や管理職員が児童労働の課題に対処できるスキルを養うことが、途上国や新興国に根強く残る児童労働における課題解決のステップとなる。
※活動詳細は「これからの企業とNGOのパートナーシップ――ビジネスと子どもの人権(1)」を参照:http://www.alterna.co.jp/14600
■単に「子どもを働かせない」だけでは不十分
家族の生計を助けるために働かざるを得ず、児童労働に従事する子どもたちが多いため、単に「子どもを働かせない」という方針だけでは児童労働の撤廃や子どもの権利推進への貢献には不十分である。法人企業の中にはセーブ・ザ・チルドレンと連携し、児童労働に従事する子どもたちやストリートチルドレンに代替教育の提供を行っているケースもある。