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記事のポイント
- 2050カーボンニュートラル化に向けて港湾地域の脱炭素が重要施策となっている
- 官民共同で進める「カーボンニュートラルポート(CNP)」では港湾機能の高度化などを進める
- 全国の港湾で施策が進んでいて、国交省では25年3月にCNP認証制度を創設した
政府が2020年に宣言した「2050年までのカーボンニュートラル化」を実現するにあたり、港湾地域は重要な対策拠点となる。 (新語ウォッチャー=もり ひろし)

第一に港湾は輸出入貨物の99%以上が経由する物流拠点だ。港湾機能の脱炭素化は、荷主や船社から選ばれる競争力となる。
第二に港湾・臨海は発電所・鉄鋼・化学工場が集積する地域であり、そのCO2排出量は総排出量の6割に及ぶ。同地域の脱炭素化はその実効性が高い。
これらの背景から官民共同で進めている施策が「カーボンニュートラルポート(CNP)」だ。港湾機能を高度化したり(停泊中船舶への電力給電、荷役機械の脱炭素化など)、次世代エネルギーである水素・アンモニアの受け入れ機能を強化したりして、港湾地域や社会全体の脱炭素化を進める。
2022年成立の改正港湾法では、各港湾で官民連携の「港湾脱炭素化推進協議会」を設置できる体制を整えた。各協議会では「湾脱炭素化推進計画」を策定する。
国土交通省によると2025年4月時点で全国98港湾が協議会を設置。このうち46港湾が推進計画を作成済みだ。また同年3月には同省がCNP認証制度を創設している。