記事のポイント
- 日産自動車と日本旅行は国内旅行のネットゼロをめざす有志連合を立ち上げた
- 環境に配慮し、地域に貢献する旅行を「グリーンジャーニー」として普及する
- 特徴は、カーボンオフセットに頼らない形で脱炭素化を狙った点だ
日産自動車と日本旅行の2社が発起人となり、2050年に国内旅行のネットゼロをめざす有志連合を立ち上げた。環境配慮を掲げる旅行ツアーは増えてきたが、業界のスタンダードにはなっていない。参画企業がそれぞれの強みを持ち合い、オープンイノベーションの形で「新しい旅」のスタイルを探る。(オルタナ編集部=松田 大輔)
このほど立ち上がった組織の名称は、GREEN JOURNEY(グリーンジャーニー)推進委員会。日産自動車と日本旅行の呼びかけにJRグループの鉄道会社など12社が賛同を表明した。企業だけでなく、環境省や東北大学とも連携する。
旅行・観光産業は世界のCO2排出量の約1割を占める。旅行にまつわる移動や食事、宿泊などのCO2排出量を減らすため、賛同企業各社が自社のサービスを提供し合う。
同委員会は公式サイトで、お勧めの旅行ツアーを「グリーンジャーニー」として紹介する。同ツアーの販売は、日本旅行が手掛ける。
現在募集中のツアーは、熊本県阿蘇市と三重県志摩市の2カ所だけだが、2033年までに全国200エリアへの拡大をめざす。
同委員会では、可能な限りカーボンオフセットに頼らない形で、環境負荷を減らすことを狙う。旅先での移動手段については、日産自動車のEV活用を勧めた。ガソリン車を使う場合と比較して、ツアー単位の削減率を示した。
地球の歩き方も同委員会に参画した。グリーンジャーニーの情報発信を行う。その他、Earth hacks(東京・渋谷)、おてつたび(東京・渋谷)、TBWA HAKUHODO(東京・港)、特定非営利活動法人日本ジオパークネットワークが参画組織として名を連ねる。参画組織は今後も増やす予定だ。