日立製作所は企業内のESGデータの収集・可視化・分析を効率化する「ESGマネジメントサポートサービス(ESG-MSS)」を提供しています。近年、ESG情報開示をめぐっては任意開示から強制開示への流れが加速しています。企業にはより高度な情報開示が求められていますが、ESG情報は多種多様で、組織や国ごとにデータ形式が異なるなど、担当者の悩みは尽きません。(オルタナ副編集長=池田 真隆)
ESG-MSSの回答で使うのはExcel*1とメールです。担当者のITリテラシーや国ごとのセキュリティポリシーの影響を受けにくく、海外の子会社や取引先からの情報収集も簡単に行えます。
取りまとめの担当者は収集したいデータを、Excel帳票を使って定義することができます。これによって、項目の変更が生じた際にもユーザー自身で帳票を変更することができます。
また、GHG排出量などの環境データや安全衛生・人的資本などのデータを、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールにつなげることで、ESGデータの可視化や分析を簡単に行えるようになります。
■日立建機、ESG-MSSで工数3割減らす
日立建機では2020年からこのESG-MSSの実証を行ってきました。同社では2012年から各現場の管理監督者がExcelなどで労働安全に関わるリスクを報告していました。この方法で抽出するリスクは毎年3千件程度に及び、2020年度末時点で、収集したリスクは3万7900件に達していました。
リスクは件数として把握されるものの、危険源や必要な対策の内容は十分共有されておらず、現場間の災害予防策に役立てることができていませんでした。
日立建機・人財本部安全衛生部の重田康成担当部長は、「手段であるはずのリスクアセスメント自体が目的になっているという問題意識があり、本来の目的である労働災害や事故の未然防止に十分につながっていなかった」と話します。
リスクアセスメント業務を見直し、形骸化を防ぐことを目指して、ESG-MSSを導入しました。重田部長がまず取り組んだのは、リスクアセスメントにおける用語やリストへの表記内容の標準化です。
現場で発生する災害の想定について、実施者ごとにばらつきがありました。そこで、リスクの記入方法に一定のルールを設け、安全担当者間の意識をすり合わせました。
ESG-MSSでは収集するデータの定義を自由にカスタマイズできます。回答データの不具合を自動検知してエラー通知する機能や自動リマインド機能など、収集作業を効率化できる管理者機能が揃っています。
実証では煩雑なデータのやり取りが効率化され、現場部門含め年間約34%の工数削減につながりました。
重田部長は、「収集したデータの活用の幅を広げていくことによって、顕在化されたリスク情報を共有し、安全化対策に結び付けていきたい」と語句を強めます。
■ESG-MSSの特徴~欧州CSRDや第三者保証などにも対応~
ESG-MSSの特長は下記の通りです。
・収集項目の設定や変更は自由にカスタマイズ可
・セキュリティポリシーによらず、国内外からのデータ収集可
・自社で使っているExcel帳票を簡単にESG-MSSの帳票に変換可
・CSRDなど法令対応や第三者保証など監査対応が可
・1部門からの導入などスモールスタートが可
・費用は月額数十万円から利用可(ユーザー数によって変動)
ESG-MSSにご関心のある方は、下記よりお問い合わせください。
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(*1)Excelは、マイクロソフト グループの企業の商標です。
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