こうして多くの人の声を取り入れて完成した「ひまわりハウス」には、今では近隣や遠方から延べ6000人以上が訪れている。地域の方々の交流の場になるだけでなく、NPOや自治体、民間企業、研究者、学生など業種もさまざまだ。
あるとき老人会の体操サークルをやっていたかと思えば、またあくる日は異業種同士が集まってこれからの陸前高田について話す。NECネッツエスアイの東京本社側にいる講師とTV会議システムでつないで、子育てママたちのパソコン勉強会を実施することもある。

NECネッツエスアイとしては、このスペースを拠点として何かソリューションができないか、という思いもある。
たとえば、地元の起業家や行政、大学の先生たちとここで未来に向けてのまちづくりを話すなかで、新規事業など現地の真のニーズに基づいた新たな試みのヒントがあれば本社と共有し、検討を行っている。新規事業チームをいくつも並行させるなかで、企業間連携にも積極的だ。
CSRコミュニケーション部の鈴木正人環境・社会貢献グループ主任は、「特に震災以降は、単独企業だけでは課題解決が難しい状況がある。お互い良いところを生かし合って何かできるといい」という。
年齢や立場、性別の違う人々が集うだけでなく、最新技術で物理的な距離も結びつける「ひまわりハウス」。多様性のなかから、今後もどんなつながりや取組みが生まれていくのか、楽しみな場所だ。
◆いわて三陸復興のかけ橋「復興トピックス」
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