散歩するように走れるセミフォールディングバイク

間違いだらけの自転車選び(41)山本修二(自転車ジャーナリスト)

記事のポイント


  1. セミフォールディングバイクという選択肢
  2. 優れた加工技術がいかされたフレーム
  3. 市街地の短距離移動で特性を発揮する

高度な技術で作られたフレームを持つキュートなセミフォールディングバイク
高度な技術で作られたフレームを持つキュートなセミフォールディングバイク

今回の自転車 パシフィックサイクルズ/コリブリ 

高い収納性と、14インチの小径ホイールが生み出す小回りの利いた走りを両立したミニベロ。フォールディングは、数秒でできるほど簡単。ハンドルを折りたたみ、サドルを下げ、ペダルをたたむ3ステップだけで完結する。自宅室内での保管や、自動車に積んでの移動に便利。フレームはアルミ製で3段内装ギアを搭載。重量は9.6kg。カラーは4色あり、バナナクリームという色のみ価格が14万800円になる。価格12万9800円(税込) 

パシフィックサイクルズジャパン https://pacific-cycles-japan.com/ 

■タイヤ径14インチのコンパクトなスポーツバイク

これが折りたたんだ状態。このときのサイズは、幅34×高さ60×長さ120cm
これが折りたたんだ状態。このときのサイズは、幅34×高さ60×長さ120cm

2024年11月に発売を開始したパシフィックサイクルズのコリブリ。本格的なフォールディングバイクのように複雑な折りたたみ機構を持たず、ハンドルとペダルをたたみ、サドルを下げるだけで完結する。このような簡易的な折りたたみ機構を持つ自転車は、セミフォールディングバイクと呼ばれる。

同社は2000年代初頭にも同名のセミフォールディングバイクを発売していたが、これをブラッシュアップさせ、現代版として新たに設計したのが今回紹介する新型コリブリだ。 

今回は、名古屋市中川区にあるフォールディングバイク専門店「GO CYCLE」に出かけ、試乗車をお借りして周辺をポタリングした。

フォールディングバイクが、ずらりと並ぶGO CYCLEの店内。専門的な知識をいかした幅の広いカスタマイズが評判
フォールディングバイクが、ずらりと並ぶGO CYCLEの店内。専門的な知識をいかした幅の広いカスタマイズが評判

コリブリの特徴は、なんといってもそのコンパクトさにある。全長わずか120cm。アルミニウム製のフレームには、14×2.0インチという幅広の小径タイヤを装着。タイヤは、サイドがアメ色というチャーミングな仕様。

試乗車は、グリーミングホワイトと名付けられた白基調のフレームに、淡いミントグリーンのフォークが組みあわされている。なんともいえないやさしい雰囲気に仕上げられた、かわいらしいデザインが目を引く。

全体の雰囲気を軽やかに見せるスキンサイドタイヤを装備
全体の雰囲気を軽やかに見せるスキンサイドタイヤを装備

しかし、よく見るとハイドロフォーミング加工による複雑な形状をしたメインフレームを持ち、そこにはブレーキワイヤーをフレーム内に通すインターナル加工や、フロントラックを取り付けるための台座があるなど、高度な技術力と巧みなデザイン性が垣間見られる。

彫刻のように複雑な表面形状に仕上げられたメインフレーム
彫刻のように複雑な表面形状に仕上げられたメインフレーム 
市販のバッグやラックを搭載するためのアダプターを装着できるネジ穴もある。ほかにメーカー・オプションのリアラックも用意されている
市販のバッグやラックを搭載するためのアダプターを装着できるネジ穴もある。ほかにメーカー・オプションのリアラックも用意されている

(この続きは)
■フォールディングバイク・デザイナーに頼られるメーカー
■コンパクトなフレームによる走行性能は
■旅先の行動半径を広げてくれる小回りの利く走行性能

有料会員限定コンテンツ

こちらのコンテンツをご覧いただくには

有料会員登録が必要です。

yamamoto_shuji

山本 修二(自転車ジャーナリスト)

1963年東京生まれ。ライター。雑誌を中心に、競うことなく笑顔で楽しめる自転車ライフを提案している。最新著書『スポーツ自転車でいまこそ走ろう!』(技術評論社)。

執筆記事一覧
キーワード: #サステナビリティ

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。