世界の株式市場をみるに、相変わらず高値圏を舞っているが、乱高下を繰り返す値幅が大きくなってきた。ずっと主張してきた史上空前のカネ余りバブル株高の上昇相場も、いよいよ最終局面に入ってきたと考えられる。(さわかみホールディングス社長=澤上篤人)
そろそろ、バブル崩壊に備えて頭の整理をしておいた方が良かろう。いってみれば、「大逆回転のシナリ
オ」だ。 先ずは、今回の上昇相場だが、米国株市場でいうと、1982年8月から今日まで、実に43年越しの超長期に渡る上昇ぶりである。
ということは、個人投資家のほとんども、機関投資家の運用者たち全員も、人生この方ずっと株高しか知らないできたといえよう。
いずれも、大きな下げを知らない投資家たちばかり。誰も売ろうとしない。だから、この超のつくカネ余りバブルが、崩れることなく続いているともいえる。
そんな投資家たちが、いざ本格的な下落相場に遭遇するや、驚天動地の出来事とばかりに皆やみくもな売り逃げに一転しよう。それも、機関投資家も一緒になってやたら大量の売りを一斉に出してくるのだ。それで、収捨のつかない株売り地獄となろう。
ここまで買いまくってきた投資家たちが一斉の売りを出せば、株価全般は奈落の底へと落ちていく。次に発生するのが、資産デフレである。機関投資家をはじめ金融機関や企業など法人投資家も、株価全般
の暴落で投資勘定を大きく目減りさせてしまう。暴落した分の資産価値が、蒸発したかのように消えてしまうのだ。
■瞬時にカネ詰まりに一転へ

