記事のポイント
- 「ラブクロム」は、高価格帯ながら品質とデザイン性で支持を集めるヘアコームだ
- 持ち手の色に個体差があるのは、端材をリサイクルした素材を使用しているためだ
- 見た目の均一性より環境負荷の低減を優先する判断に、ブランドの覚悟がにじむ
「ラブクロム」は、1万円を超えるモデルも展開する高級ヘアコームだ。品質とデザイン性が評価され、SNSで人気を集めている。製造を担う塚田理研工業は環境保全にも積極的で、排水のリサイクルなどを進めてきた。2024年発売の「バングスコーム」では、製造工程で出る端材を再利用した素材を採用した結果、持ち手の色に個体差が生じている。見た目の均一さより環境配慮を優先した判断に、環境配慮に対する姿勢が表れている。(オルタナ編集部・川原莉奈)

YC・Primarily(ワイシー・プライマリー、本社:東京・港)が手掛ける「ラブクロム」は、東日本大震災を機に、会長の「電気も電池もいらない、とかすだけで髪がきれいになる、そんなヘアコームを創りたい」という思いから誕生した。
製造を担うのは、1963年創業の塚田理研工業(長野・駒ヶ根市)だ。同社は日本アルプスに囲まれた地で、豊富な地下水をめっき加工に活用している。そのため、「水を汚さない」ことを企業の責務と捉え、早くから環境保全に取り組んできた。
現在では使用水の約7割を工場内で再利用し、残りの3割も浄化したうえで河川へ戻している。
さらに、廃水に含まれる金属を回収し100%再資源化することで、金属の産業廃棄ゼロを達成している。「自然の恵みなくして事業は継続しえない」という考えが、こうした取り組みの根底にある。

その姿勢はYC・Primarilyが掲げる理念とも重なる。
2024年発売の「バングスコーム」の持ち手の色味には個体差があるが、これは製造工程で出る端材をリサイクルした素材を使用しているためだ。製品強度や品質には一切妥協しない一方で、髪に直接影響を与えない部分で環境配慮を選んだ。

この判断をした背景について、同社広報は、「バングスは海外での人気も高く、製造国である日本の環境負荷を減らす選択をすることが、今の時代におけるブランドの責任だ」とする。
品質と環境配慮の両立を軸にしたものづくりの在り方は、今後さらに注目を集めそうだ。



