ごみ焼却に年間2兆4489億円の税金: 食品ロスはもっと減らせる

記事のポイント


  1. 環境省の最新データによると、ごみ処理に年間2兆4489億円の税金が使われた
  2. 重さの80%が水分の食品ロスと生ごみを減らせば、これは改善できるはずだ
  3. 食品ロスを減らせば、貴重な税金の財源を守り、他のことに充当できるる

環境省が2026年3月27日公表した最新データによると、ごみ処理に年間2兆4489億円の税金が使われた。ごみ処理費を減らすカギは「食品ロス」だ。特に、重さの80%が水分の食品ロスと生ごみを減らせば、その税金を教育や医療、福祉、雇用などに充当できるはずだ。(オルタナ客員論説委員=井出留美)

株式会社日本フードエコロジーセンターに納入された、まだ食べられる食品
(写真は同社が筆者に提供したもの)

環境省が2026年3月27日に公表した最新のデータによると、一般廃棄物処理事業経費は年間2兆4489億円に達し、前年度の2兆2,912億円から約1577億円(6.9%)増加した。

ごみ処理は我々の納めた税金でまかなわれている。国民一人当たりに換算すると、約2万円の税金がごみを燃やすために使われていることになる。

一方、全国で90法人もある国立大学や研究機関の年間運営交付金は、年間で1兆1,000億円にも満たない。ごみ処理の額は、その2倍以上に上る。

どうしたら改善できるのか。ごみ処理費を減らすカギが「食品ロス」だ。食べられずに捨てられる食品ロスや生ごみの約80%は水分だ。「分ければ資源、混ぜればごみ」と言われるが、日本は資源でもある生ごみを他のごみと混ぜて燃やしている。貴重な税金を費やし、環境負荷を及ぼしている。

「必要以上に調理しない」「食材を使いきる」「生ごみは水きりしてから捨てる」などが食品ロスや生ごみの削減につながる。

日本のごみの焼却割合は約80%でOECD加盟国ワースト1だ。温室効果ガス排出は気候変動につながる。

韓国は生ごみリサイクル率を2.6%から98%まで上昇させた。

ごみ処理費を減らせば教育や医療、福祉、雇用などに充当できる。安くはない税金を納めているのだから、できる限り将来につながる有用なことに使いたい。

ごみ処理費を最小限にするためには、ごみや食品ロスを減らすこと。出したものはできるだけ水分を減らして焼却炉の負担がかからないようにし、温室効果ガスを減らすこと。食品ロスを減らせば、貴重な税金の財源を守り、他のことに充当できる。

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井出 留美(オルタナ客員論説委員)

ジャーナリスト。奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力。著書『私たちは何を捨てているのか』『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てないパン屋の挑戦』『SDGs時代の食べ方』『食べ物が足りない!』他。食品ロスを全国的に注目されたとして食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞など受賞。

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キーワード: #食品ロス

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