■系統接続費用の負担も足かせに

他方で未稼働設備が多い理由として、送電網に接続する費用を原則として発電事業者が負担しなければならない、という制度上の事情もある。「ケースによってはかなりの高額に達する場合もある」と松原氏。資金力がなければ発電もできないしくみだ。ちなみに系統接続費用の負担方法として、海外では送電部門が負担する「シャロー接続方式」も普及している。

「送配電網を運用する大手電力にとって、国の導入目標が低い中、自然エネルギーの導入拡大にともなうメリットはないに等しい。そのため原発のフル稼働を前提に、自然エネルギーには系統接続を抑制する『接続可能量』が設けられた。これに輪をかける形で入札制度が導入されようとしている」(松原氏)

一方で松原氏は「経産省や国の審議会も、少しずつではあるが自然エネルギー事業者側の意見を取り入れるようになった。事業者の数が増え、規模も大きくなってきたため、その声を無視できなくなっている」とも述べる。電力全面自由化で、電力システムは大規模集中型から小規模分散型への転換が始まった。その歩みを確かなものにするには、国民の不断の制度監視が問われる。

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