豊洲の土壌汚染について東京ガス広報部の回答 2

 

豊洲の土壌汚染について、オルタナ編集部は追加質問を東京ガスに行いました。東京ガスに広報部報道グループ・府川浩明氏からの回答は下記の通りです(記事本体を読みたい方はこちらを、最初の回答を読みたい方はこちらをクリックして下さい)。

オルタナ編集部からの追加質問

4)質問1)で、「稼働中は常にその当時の環境規制法規を順守しておりました」と回答されていますが、それにも関わらず、豊洲工場の跡地からはベンゼンが環境基準の43000倍、シアン化合物も同860倍も検出されました。これでは「順守」と言えないのではないでしょうか。

5)豊洲工場だけでなく、実に15カ所(豊洲用地、大森用地、千住用地、相模原用地、日立用地、宇都宮用地、平塚用地、甲府支社用地、甲府工場用地、鶴見事業所、末広工場跡地、横浜工場跡地、平沼用地、江東区の深川用地、熊谷用地))の貴社所有地で「環境基準を上回る汚染物質(主にシアン、ベンゼン、砒素)が検出された」ことが明らかになっています。ほとんどのガス製造拠点で環境基準を上回る汚染物質が検出されたということは、そもそも石炭乾留方式は、土壌汚染を伴う製造法だったのではないでしょうか。

6)「社会的責任に基づき、ステークホルダーへの説明責任をどう果たしてきたのか」という3)の質問に対し、貴社はプレスリリースとCSRレポート(ウェブサイト)への掲出を回答されました。ただし、ウェブサイトでの当該コンテンツの階層はとても深く、目につかない場所にあるため、それでは説明責任は果たされていないように思います。例えば、住民やメディアへの説明会などは今後、検討されているのでしょうか。

東京ガスの回答

現在、豊洲用地に関して3点追加でご質問をいただいておりますが、ご質問への回答ですと、必ずしも真意が伝わらない懸念がありますことから、以下経緯についてご説明することで、ご回答とさせていただきたいと存じます。

弊社豊洲用地について

1 弊社豊洲用地への市場移転に関する東京都からの要請の経緯について
もともと弊社は、弊社豊洲用地について独自に同用地の開発計画(商業、オフィス、住居等を念頭に置いた開発プラン)を立案し、開発案件の誘致に着手するとともに、具体的な取組みを推進しておりました。そのような中、東京都は、当初の築地市場における現在地再整備計画を方針転換し、1999年11月、弊社に対して築地市場の豊洲地区(埠頭先端部)への移転、すなわち弊社豊洲用地の東京都への譲渡を打診してきました。弊社は、東京都に対し、上記独自の開発計画が先行していることを説明し、市場移転先を東京都所有地のある埠頭根元とする事への再考のお願いと、併せて東京都に対し、後記の当社が独自に実施した弊社豊洲用地の土壌汚染調査の結果を報告しております。
しかしながら、弊社は、東京都から再度、市場機能の確保とまちづくりの調和の観点から市場の埠頭先端部配置をしたいとの強い要望を受けました。このため、弊社は、卸売市場が公益性の高い施設であることに鑑み、2002年7月、これまでの開発計画を中止し、東京都に対する弊社豊洲用地の譲渡の要請を受け入れることとした次第であります。

2 弊社による土壌汚染対策及び当該対策完了後に新たに実施された対策工事への対応について
弊社は、1998年7月から1999年10月にかけて、石炭ガス工場の操業に由来する土壌汚染対策として、東京都のご指導を賜りながら自主的に土壌汚染調査を実施し、2001年1月、調査結果とともに対策工事についても公表いたしました。
その後、弊社は2001年2月から2007年4月まで「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に基づく土壌汚染対策に真摯に取組み、対策完了を東京都にご確認いただいております。その間、弊社は東京都に提出した汚染拡散防止計画書に記載の対策を実施することに加え、東京都から市場立地のために追加の土壌対策を要請され、追加の上乗せ対策を実施しております。
その後、東京都が「食の安全・安心」確保の観点から、市場用地としての安全性を高いレベルで確認するため、「豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議」の提言に基づき改めて法令を上回る詳細な調査を実施したところ、新たに操業由来の土壌汚染が確認されました。弊社は、自然由来を除いた土壌汚染は弊社の工場操業に由来するものと考え、市場が公益性の高い施設であることから、これまでの経緯を踏まえ、東京都との協議の結果、東京都が「豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議」の提言に基づき実施した土壌汚染対策工事の費用の一部を負担いたしました。
以上の経緯を経て、最終的に2011年3月、東京都と弊社との間で豊洲用地に関する土地売買契約を締結いたしました。
当社としましては、東京都に対し、一私企業としてでき得る範囲のご協力はさせて頂いたものと考えております。
以上

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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