地元の「カッコいい」を集めた商店街、限定開業へ

2015年に開かれたARCADEの様子
2015年に開かれたARCADEの様子

2日間限定の商店街「ARCADE(アーケード)」が10月22、23日、和歌山・海南駅前で開かれる。農園や老舗しらす屋、雑貨店、カフェやバーなど約50店が出店する。和歌山に住む建築デザイナーらが、本気ですすめたい「カッコいい」店を招待制で集め、普段は何もない駅前広場に理想の商店街をつくり上げる。(オルタナ副編集長=吉田広子)

構想が浮かんだのは約2年前。ARCADE実行委員の一人で建築デザイナーの柏原誉さんは、きれいに整備されていながら、人の少ない海南駅前広場で何かしたいと考えていた。当初はスケーターのイベントを検討していたという。

街をより良くするために必要なものは何か、どうしたら場所に対しての愛着が生まれるのか。そう考えたとき、好きな店、憧れの大人たち、そこにある文化だと気付いた。

「何もなく期待されていない場所に突如、理想の商店街が現れたら面白いと思った。他の地方と同じように、和歌山も若者が県外に流出し、過疎化が進んでいる。一つの選択肢になるように、和歌山の魅力を伝えていけたら」(柏原さん)

こうして始まった仮想商店街「ARCADE」プロジェクト。和歌山で働く30代から40代前半の4人で実行委員会を立ち上げ、2015年10月に第1回「ARCADE」を開催した。

こだわったのは出店の基準。自分たちが「本気ですすめたい」店を厳選し、招待制を貫いた。柏原さんは「楽しそうにやり切っている。全力で行き着くまで努力する。そんなカッコいい大人たちの店を集めた」と自信をのぞかせる。2015年は2日間で8000人が来場したという。

柏原さんは大阪生まれで、和歌山の大学に進学。2014年に和歌山で建築設計事務所を設立した。「和歌山は、山、川、海に恵まれ、物価や家賃も安い。暮らしやすいし、起業もしやすく、ポテンシャルが高い。より良い暮らしを思い描ける街のあり方を次の世代に提案していきたい」と意気込む。

10月22日は11時~21時、23日は11時~18時まで開催される。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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