胎動しはじめた社会的経済ーーよみがえるK.ポラニーの思想

Sustainablebrands.comから転載]

前回に続いて、企業が社会的責任(CSR)から共有価値の創造(CSV)に向かう韓国の動きを紹介しましょう。ソウルで開催された第14回カール・ポラニー国際会議(10/12-14、2017年)では興味深い話題が飛び交いました・・・・。

市場経済への対抗運動のひろがり

社会的企業や市民型まちづくりが活発化しているソウル市ですが、そうした実践の理論的なバックボーンとして近年、社会経済思想家のカール・ポラニー(1886~1964)が注目されています。有名な著作に『大転換』(新訳、東洋経済新報社2009年)がありますが、19世紀文明(市場経済の隆盛)の崩壊として市場主義への対抗運動(ファシズムの台頭、ニューディール政策など)の出現を、経済人類学的な知見を土台に巨視的視野から論じたものです。

近年、ふたたび資本主義の矛盾拡大(格差・貧困、環境破壊)に警鐘が鳴らされていますが、まさに資本主義市場システムへの不信や対抗運動が噴出しだしており、ポラニーの洞察があらためて再評価されています。1986年に生誕地のハンガリーで第1回カール・ポラニー国際会議が開催されて以来、世界各地で国際会議が開催されてきました。1988年にカール・ポラニー政治経済研究所(カナダ)が開設され、未公開資料が整備されたことで研究が活発化しています。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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