環境 人づくり企業大賞、リコーなどに環境大臣賞

環境 人づくり企業大賞 2017(主催・環境省、環境人材育成コンソーシアム EcoLeaD)表彰式が5月21日、開かれ、セイブクリーンとリコーの2社が環境大臣賞を受賞した(オルタナ総研スペシャリスト・室井孝之)

環境 人づくり企業大賞は、「地球環境と調和した企業経営の必要性を認識し、その実現のため自ら進んで行動する自社の社員の育成に係る取組を募集し、優良な取組に対し表彰する」趣旨で設立され、今年で4回目だ。今回は61件の応募があり、29件が受賞した。

環境大臣賞を受賞したセイブクリーン(熊本県合志市、坂井さゆり社長)は廃棄物収集運搬や浄化槽の保守点検を営む企業である。

同社は、①「教育ニーズ表」による人材育成 ②ITエコタウンを目指した業務ITによる作業時間の大幅削減、売上増の実現 ③学校・住民への出前授業/環境教育が評価された。同社の坂井さゆり社長は、受賞に際し、次の通り話した。

「これまでの人財育成の取り組みを評価頂き本当にうれしく思っています。どんなに良い道具があっても、その道具を使ってみたい、使ってみようと思う社員の気持ちがなければ人づくりはできません」

「当社は20年ほど前から、人材育成の一貫として、環境マネジメントシステム活動、ITの導入、地域貢献活動、知識や技術の習得、感動力の強化を実践して参りました。その過程で気づいたことが3つあります」

「1つ目は、使ってみよう、使ってみたいと感じる人になる為に取り入れた社員教育「感動力(メンタル強化)トレーニング」の効果のすばらしさです。この教育で、社員が「やってみたい、やってみよう」と自発的に動けるメンタル力を付けたことで社員の成長を促進し、多くの問題を解決につながりました」

「2つ目は、人づくりによって苦境や逆境を乗り越えられるということです。2016年の熊本地震の際、社員は、自らも厳しい心身状態にありながら 一丸となり共生共創共助の取り組みが実施できました」

「3つ目は、売上高だけをみても業績は上がらない、数字は、お客さまが、社員が持ってくるという事実です。人づくりを強化したことで自然と結果がついてくることを学ぶことができました」

同じく環境大臣賞を受賞したリコーは、①環境経営を軸とした企業戦略と環境人材育成の関係性の明確化 ②リコーグローバルエコアクション ③経営層のリーダーシップが評価された。

審査委員長の奥真美・首都大学東京都市教養学部教授氏は「環境対策のみではなく、あらゆる課題にも、本業に即した人づくりが必須だ。受賞した企業に共通している点は、e-ラーニング、eco検定など社員の動機付け、インセンティブを設けていることだ」と締めくくった。

今年の優秀賞12社は、次の通り。OKUTA(埼玉県)、山陽製紙(大阪府)、GE(大阪府)、ジャパンセミコンダクター(岩手県)、新門司建設(福岡県)、セリタ建設(佐賀県)、SOMPOホールディングス(東京都)、大和リース(大阪府)、帝国ホテル(東京都)、デンソー(愛知県)、福井環境事業二日市リサイクルセンター(福井県)、富士通(神奈川県)

奨励賞の15社は、次の通り。旭建設(宮崎県)、MHPSエンジニアリング(神奈川県)、オリエンタル工芸社(東京都)、KDP(大阪府)、シグマ(佐賀県)、シャープ三重工場(三重県)、ダイハツ工業滋賀(竜王)工場(滋賀県)、中部電力(愛知県)、東芝デバイス&ストレージ(兵庫県)、西松建設(東京都)、梅南鋼材(大阪府)、フジヤマ(静岡県)、水資源機構(埼玉県)、三井住友建設(東京都)、みやま(長野県)。

 

 

 

 

 

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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