SDGs経営を考えるにあたりSDGs経営について次の3要素を押さえておきたい。
第一要素:「ビジネスSDGs=CSV」
ビジネスではSDGsはCSRの要素に加え、むしろCSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)の進化に活用できることが要諦である。
SDGsは企業にとってのチャンスである一方、リスク回避にも使えるリストだ。この両面で競争優位が実現して、経済価値と社会価値の同時実現を目指すCSVをSDGsによりバージョンアップできる。
第二要素:ビジネスSDGsはESGと「裏腹の関係」
Environment(環境)、Social(社会)、Governance(統治)の3要素のESG投資が進展している。ESGは投資家からのチェック項目であり、投資家は事業会社のSDGs活用によるCSVの遂行を判断基準の一つとしている。
この点を明示してESG投資をけん引しているのが、年金積立金管理運営独立行政法人(GPIF)であり、次のサイトで投資家はPRI(国連投資原則)、事業会社はSDGsの遂行をすべしと両者の関係を明示している。https://www.gpif.go.jp/investment/esg/#b
第三要素:「SDGs=>アウターブランディングXインナーブランディング」
SDGsは外部発信性が強いだけでなく、社内浸透を通じインナーブランディングに役立つ。
17目標は相互に関連性が深く、最終的には目標17番の「パートナーシップ」に帰着する。この相互関連性を通じ、活動のマッピングを終えると社内のセクショナリズム打破と社員モチベーション向上につながっていく。
この場合、SDGsの認知度が日本で向上しないのはなぜであろうか。その要因の一つはSDGsの訳語かもしれない。SDGsは先進国、途上国を含む普遍性が特色であるが「Development」が「開発」と訳されているため途上国支援を想起させる。「発展」ととらえ「持続可能性の共通言語」と理解すればすべての人で取り組みやすい。
■SDGs/ESGマトリックス