レガシーのまちづくり(笹谷 秀光)

サン・ベント駅構内

日本では金沢駅が世界で最も美しい駅の一つに入っています。装飾タイルではなく九谷焼や輪島塗などの工芸品や伝統芸能である能楽・加賀宝生(かがほうしょう)の鼓をイメージして名付けられた鼓門があります。今後ポルト駅に負けないようなレガシーの創出が期待されます。

ポルトのブランド化の成功の代表例はポルトワインです。赤は「ポルトガルの宝石」と称され、輝くルビー色で赤は「食後酒」として好まれます。白もあり、こちらは「食前酒(アペリティフ)」としておつまみなどと一緒に飲まれることが一般的です。

ポートワインの商標と品質がポルトガル政府により厳格に保護されています。ポルトガル北部を流れるドウロ川上流(アルト・ドウロ地区)をポートワインの法定区域と定め、この地区で栽培された葡萄を原料とした酒精強化ワインのみに商標が許され、その品質も政府機関で厳しく管理されています。

イワシの缶詰も古い缶詰屋が多い中、1942年にポルトのそばのアヴェイロで創業のCOMUR はイワシなどの缶詰に創業年やギフト用に各年次の入った商品をそろえるなど新たなブランド化の可能性を追求しています。http://www.comur.com/

ポルトガルはかつての栄光だけで生きているのではなく、力強いレガシーのまちづくりへのエネルギーを感じさせました。人口は1000万人ちょっとですが、過去のレガシーを現在に活かし始めています。また、1755年のリスボン大震災から復興のまちづくりを成し遂げたモデルもあります。

リスボン、発見のモニュメント:エンリケ航海王子の500回忌を記念して、テージョ川を前に1960年に建設

■クールジャパンXインバウンドXレガシー

日本のよいものを「クールジャパン」として掘り起こし、「インバウンド」の皆様にも訴え、「レガシー」として 次世代に残していくことが求められています。

そのため、世界的視野に立って、世界の持続可能性の共通言語である「持続可能な開発目標(SDGs)」を活用し、関係者が連携して地域課題を解決。協働で新たな価値を生む「協創力」を発揮するためのプラットフォームが必要です。

「協創力で日本創生モデルをつくろう」をテーマにした「未来まちづくりフォーラム」では未来まちづくりに向けた「夢と希望」「潤い」「豊かさ」「安心」を考えます。

内閣府、総務省、文部科学省、国土交通省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省、全国市長会、全国町村会、全国知事会の後援名義をいただきました。いよいよ3月7日(木)、東京お台場で開催です。本フォーラムは、グローバルなネットワークを持つ「サステナブル・ブランド国際会議(SB東京2019)」と合流して、「新たな地方創生モデル」の創出に挑みます。

SB東京2019のサイトはこちら

未来まちづくりフォーラム http://www.sustainablebrands.jp/event/sbt2019/miramachi_02.html

<開催概要>
名 称:未来まちづくりフォーラム
会 期:2019年年3月7日(木)10:00−18:15
会 場:ヒルトン東京 お台場
来 場:800名(予定)
参加費:3,000円(税別/事前登録制)
主催:未来まちづくりフォーラム実行委員会
特別協力:サステナブル・ブランド国際会議 東京
(株式会社博展) 
協賛:ご協賛企業・団体様
後援:内閣府、総務省、文部科学省、国土交通省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省、全国市長会、全国町村会、全国知事会
内容:基調講演(オープニング・トーク)、パネルセッ
ション、展示、ネットワーキング・ランチ、他
対象:地方創生まちづくりに取り組む企業・団体、
自治体、社会起業家、研究機関、他
開催告知URL:申し込みはこちらから

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笹谷 秀光(CSR/SDGsコンサルタント)

東京大学法学部卒。1977年農林省入省。2005年環境省大臣官房審議官、2006年農林水産省大臣官房審議官、2007年関東森林管理局長を経て、2008年退官。同年~2019年4月伊藤園で、取締役、常務執行役員等を歴任。2020年4月より現職。著書『CSR新時代の競争戦略』日本評論社・2013年)、『協創力が稼ぐ時代』(ウィズワークス社・2015年)。『 経営に生かすSDGs講座』(環境新聞社・2018年)、『Q&A SDGs経営』(日本経済新聞出版社・2019年)。 笹谷秀光公式サイトー発信型三方よし 執筆記事一覧 

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