つまり、頑張ってリユース・リサイクルしたのは良いが、環境的にも経済的にもマイナスになってしまう場合があるのだ。そのような時、焼却処理・熱回収という選択肢は現実的な選択肢となる。
ところで、一般廃棄物(家庭系のごみと一部事業系のごみ)の処理の実態を見ると、日本は世界で見ても焼却率の高い国であることに気が付く。排出された一般廃棄物の80%が焼却処理されている。
明治政府は保健衛生的な観点から廃棄物の焼却処理を奨励したが、第二次大戦後になってようやく焼却処理のインフラが整えられるようになり、現在ではほとんどの焼却処理プラントは熱回収もできる性能の優れた設備となっている。
(細田衛士=慶応義塾大学経済学部教授、中部大学創発学術院客員教授)
※この続きは、オルタナ55号(全国書店で発売中)掲載のコラム「論考・サーキュラーエコノミー」でご覧ください。
1 2