「障害の社会モデル」を踏まえた法律である障害者差別解消法では、事業者に対し障害のある人がサービスの受けづらさを感じていて、申し出があった際は、負担のない範囲で、それを解消できるよう、個別の対応を求める「合理的配慮の提供の努力義務」を定めています。

例えば、車いす使用者が施設に段差があるため利用できないような場合、段差を越えるお手伝いをする、携帯スロープをかける――などの対応です。そして合理的配慮の提供は2018年に東京都の条例において努力義務から法的義務とされました。

配慮と聞くと思いやりや親切心で行う行為と思われがちですが、障害の社会モデルを踏まえて考えると、多数派を優先させた社会の偏りを是正し、機会を均等にするために、しなければならない最低限のことだと言えます。

しかし、その人が望むことは本人に聞いてみないと分かりません。同じ車いす使用者でもできること、できないことは様々です。視覚に障害のある人でも見え方は様々です。車いす使用者にはこのような応対、視覚障害者にはこの様な応対と決まったものはありません。相手のニーズに即した応対が必要であり、そのためにも思い込みや先入観ではなく、対話が必要なのです。

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