新型コロナ問題、オランダで「コロナ法」施行

危機感がなかった?オランダ

フランスやベルギーなどの欧州諸国が都市閉鎖を行っているが、オランダは未だに行っていない。薬屋やレストランは、宅配のみの条件で開店許可されており、洋服屋はお得意様に限り店を貸し切り、営業を続けているところもある。外出禁止令は出されていないため、自粛はあくまでも自己責任で、というスタンスを国民も取り続けてきた。

ところがその「緩さ」のおかげで、在宅ワークで暇を持て余した人たちが子連れで海辺や公園、キャンプ場や森林などにどっと繰り出し、さながらお祭り騒ぎの様子を呈したため、政府は厳しい対応を余儀なくされることになった。

コロナ予防新規則
マーク・ルッテ蘭首相は司法大臣や厚生省大臣を伴い、3月23日に「コロナ予防新規則」を施行せざるを得なくなったのである。規則は以下に記す。

●人と人の距離を、1.5メートル以上とる。これに違反した場合は罰金400ユーロ(約5万円)が課せられる(監視は私服警官や警備員が行う)

●人との接触が多い店舗は6月1日まで閉店。これは、美容院、整体院、カフェ、ホテル、スポーツ・ジム、レストラン、映画館などを指す

●自宅に3人以上の人を招待しない

●家族の1人が発熱(38度以上)した場合、いかなる場合であってもコロナ検査が行われるまで家族は外出禁止(検査後、コロナ肺炎に感染していないと判明した場合は外出可能)

●多くの人が集会する催し物(たとえばコンサート、スポーツ競技など)は、収容人数いかんにかかわらず6月1日まで厳禁

政府による「新法」を図で表示したもの。手をつないで歩くことは厳禁で、人と人との間を1.5メートルあけること、と書かれている(画像提供:Rijksoverheid)

果たして、これら新規則が、感染者数増大に歯止めをかけるか、否か。施行されて3日目だが、功を奏して人出は減ったものの、今度は別の問題が生じてきた。

現在、全国の学校が閉鎖となっているため、暇を持て余し、目的無く外出し道端でたむろし、騒いだりケンカをしたりする若年層が増大、それを取り締まる警官数が足りない余波的な事件が起き始めた。いつになったらコロナ肺炎感染の終焉がくるのか。人びとの願いは、世界共通だろう。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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