「脱プラ」先進国・韓国、コロナでプラごみ6割増

そうした状況の中、年初から拡大した新型コロナ禍で、韓国の「脱プラ」は思わぬ問題に直面した。韓国でも2月下旬から5月にかけて外出自粛や休校措置が断続的に行われた中、「ネットショッピング」と「フードデリバリー」の需要は大きく急増した。外出がままらないという事情もさることながら、韓国では元々こうした業種でのアプリが多様にあり気軽に使われているという背景がある。

韓国では2月下旬から国内第3の都市・大邱(テグ)での急速の感染拡大が全土に広がり、学校の休校や店舗休業、外出自粛といった事態に追い込まれた。こうしたことから、普段は多くの人で賑わう人気の飲食店やカフェ、スーパーやデパートは閑古鳥が鳴いた。

現在、ファーストフードやカフェを初めとする飲食店の店内での飲食の際にもプラスチック容器での提供がされている。

一方で、アプリによる商品の購入や前述のように飲食店へのデリバリーの注文が急増し、家庭からのプラスチックゴミの排出も前年比で60%も増えた。また、カフェでの飲み物の提供も新型コロナの感染防止のために当面は店内でもプラスチック容器で提供することが標準になった。これまで順調に推進・浸透してきたかのように見えた「脱プラ」であるが、新型コロナの影響で思わぬ壁に当たった。

5月初めには新型コロナ対策に一定の効果があったとして、外出自粛の解除や学校再開が発表となったものの、自粛が解除された途端にソウル繁華街のクラブでの集団感染が発覚し、現在までソウルとその周辺地域を中心に複数の感染者が確認された。

第2波が来ることや生活や経済への影響への不安とともに、「季節性インフルエンザのように新型コロナと共存してくことも仕方ない」という声も聞かれる。こうした中で、今後、防疫と衛生対策と並行して「脱プラ」も継続させていくことが課題であると言えよう。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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