■オルタナ本誌62号 「地域金融トピックス4」 から 文・綴り屋はちどり

製造業の空洞化が進むなか、観光業は地方創生の切り札、国内の基幹産業の一つと期待される。観光庁や金融庁が、地元金融機関による観光地経営への参入を望むのも確か。この6月、山口フィナンシャルグループは、地域観光振興会社、ワイエムツーリズムを設立。

傘下の山口銀行の2支店を観光施設にリノベーションし、地域の古民家や廃業旅館を再生・運営するほか、コンテンツ開発やプロモーションを支援し、交流人口増加による地域価値向上を目指す。

ここ数年、金融機関による観光DMOへの参画やファンドへの出資、広域連携などは目立ってきたが、観光振興の方向性はコロナ禍で消滅したインバウンドから一気に方向転換。大切なのはむしろ、地元民に地域価値の再認識を促すことだろう。潜在的な地域資源を発掘しブランド化などで、地場で育った若者が出ていかないまちづくり、起業できる素地を醸成する。それがひいては、国内旅行者の誘引にもつながるのではないか。

*雑誌「オルタナ」62号(第一特集「エシカル消費、SDGsが牽引」)は9月30日発売