プロテインクライシス(蛋白質危機)と称される問題がある。2030年ごろに蛋白質の国際的な需給バランスが崩れるとする予測だ。世界的な都市化や中間層増加に伴い、肉の消費量が増えたことが背景にある。(もり ひろし)

一方で食肉を支える畜産業にも構造的問題がある。水資源の消費、温室効果ガスの排出、森林伐採などの観点で、環境に負荷をかけているのだ。

そこで注目されているのがミートレスという考え方。食料生産・食生活において動物由来の蛋白質を避けることを意味する。動物福祉の観点から同概念を支持する立場もある。

生産的側面でミートレスを実現する方法としては、非動物由来の原料を用いる手法がある。例えば植物肉(プラントベースドミート)や昆虫食を用いる方法だ。

また将来的には動物細胞で培養肉を製造する方法も注目されている。こちらは動物由来なのだが、環境負荷は低減できる。クリーンミートという代替的名称を提案する立場もある。

目下の課題は技術確立、風味改善、コスト低減など。また代替肉産業を確立させるための環境整備――国際規格・認証制度の制定、従来的な畜産業界との共存など――も課題となる。