スタンダードを策定するのはUNDPだが、実際に認証するのは第三者認証機関となる。現時点で作業が最も進んでいるのがPEファンドで、2020年10月には基準案がまとまり、現在、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスなど30以上の金融機関が参加し、ブラジルやインド、インドネシアなど11か国のPEファンドでテストを行っている。
2021年4-6月にはパイロット運用が始まる見通し。債券、企業のドラフトは完成しており、基準案策定も近い。UNDPでは実施を急いでおり「ここ1~2年以内に稼働させたい」としている。
認証制度の周知徹底や認証機関の教育・訓練など課題も少なくないが、日本企業にとっては、真のSDGs企業になるかどうかの試金石ともなりそうだ。
◆原田勝広:オルタナ論説委員。日本経済新聞記者・編集委員として活躍。大企業の不正をスクープし、企業の社会的責任の重要性を訴えたことで日本新聞協会賞を受賞。明治学院大学教授に就任後の専門は国連、CSR, ESG・SDGs論。2018年より現職。著書は『CSR優良企業への挑戦』など多数。