ふたたび辞書に目をおとした王様ふくろうが、
「地球のおく深くにとじこめられていた燃料 (※2) をもやすと出るようじゃぞ」と話しはじめたとき、二羽がとまっていた木の下を、数台の車が猛スピードで通りぬけていきました。
「その燃料はな、数百万年以上もかけて地球がつくるらしいぞ。ところが人間は、電気をつくるときや、車のガソリンなどに利用して、どんどん燃やしておる。とくに発電するときにたくさん使われているようじゃぞ。地球を暖めるガスがふえすぎて、まるで真夏に厚着をしているように、地球に熱がこもるのもあたり前じゃな。」
フクロウ王子はホホーッと鳴きながら、こう考えました。
「電気ってどうやってつくるんだろう。地球の奥深くから取り出した燃料を使わないでいい方法はないのかな。こんど人間の友だちに聞いてみよう」と。
※2化石燃料のことです。動植物の死がいが地球の圧力や熱により変化して生まれたもので、生成までに数百万年以上の歳月を必要すると言われています。
気候変動のお話は、第2話に続きます。