若宮健嗣内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、クールジャパン戦略、知的財産戦略)は7月19日、記者会見で「霊感商法」に言及した。「お金を多く払うことで運が開けたり、幸せになったりすることはない」として、あやしいと感じた場合は消費者ホットライン「188」(いやや)に電話するように呼びかけた。消費者契約法では、霊感商法など、合理的な判断ができない消費者の心理状態を利用して不当な契約を締結させた場合、消費者は契約を取り消すことができる。(オルタナ副編集長=吉田広子)
若宮大臣は、消費者問題を所管する大臣として霊感商法に関する見解を問われ、次のように回答した。
「霊感商法について消費者被害が発生していることについて報道されていることは重々承知している。消費者生活相談の件数動向などについては、しっかりと注視していかなければならないと思っている」
「いわゆる霊感商法のトラブルについては、国民生活センターでも十分に注意喚起を行っているところ。改めて消費者の皆さまには、お金を多く払うことで運が開けたり、幸せになったりするようなことはないということをご理解いただきたい。不安をあおるようなことを言われてもきっぱりとお断りしてほしい。霊感商法など、不当な勧誘があった場合には契約を取り消すことができる場合もある」
「困った場合は、早めに消費者ホットライン『188』(いやや)に相談いただくようにお願いしていくことが必要だと考えている。個別具体の案件については、私の立場からお答えすることは差し控えたい」
消費者契約法の平成30年改正では、「霊感等による知見を用いた告知」があった場合、契約を取り消すことができるという規定が追加された。
消費者庁が公表している文書によると、「霊感」とは、除霊、災いの除去や運勢の改善など、超自然的な現象を実現する能力を指す。いわゆる超能力なども、合理的に実証することが困難な特別な能力にあたる。
具体的には「悪霊がついているので、病状が悪化する。この数珠を買えば悪霊が去る」「このままでは将来、子どもが家出する。この壺を買えば、反抗期は収まり家出もしない」といった告知行為があると、取り消しの対象になる。
新たな施策に関して問われると、若宮大臣は「霊感商法のトラブルについて、具体的には聞いていないが、あるのだろうと推測される。未然防止が重要なので、まずは188に相談してほしい。被害に合わないように周知徹底していく。あやしいと思ったら相談していただくのが一番。事後についても、どういった状況になるか注視していかなければならない」と話すにとどまった。
消費者ホットライン「188」とは
消費者ホットライン「188」は全国共通の電話番号で、電話すると、身近にある地方公共団体が設置している消費生活センターや消費生活相談窓口が案内される仕組みだ。そのため、相談できる曜日や時間帯は、相談窓口によって変わる。