【連載】政策起業家とは何者か(15)

政策起業家は国レベルの政策に対して働きかけるナショナル政策起業家も必要だとは思っていますが、それ以上に地方で活躍するローカル政策起業家こそ増えていく必要があると考えています。今回は政策起業家と地方創生との関係性について書きたいと思います。(三井 俊介・NPO法人SET理事長)

そもそも地方分権とは「国の行政システム全体の中で、中央政府・地方政府間の権限配分において、権限の一部を地方政府に委ねること」だとされています。

日本においては、明治維新によって中央集権的な政府が成立し、第二次世界大戦後に憲法第8章に「地方自治」が設けられたことを受けて、地方分権が少しずつ進められてきました。ですが、実質的には中央集権体制からの変化は乏しかったとされています。

2000年に制定された地方分権一括法により、国と地方政府の関係は対等であるとされ、地方自治が言われるようになりました。しかし地方行政が自分の頭で考え、創意工夫を凝らせるようになったのはここ20年の話ということでもあるのです。

日本は明治維新の時に「天皇を中心とする中央集権体制」が確立されました。地方行政は中央政府の出先機関と定められていました。それから約140年事実上の中央集権体制続いてきました。

地方行政機関も住民も中央政府頼りとなりました。その結果として日本の地方は自立、自助努力、自己責任の意識が乏しく、地域経済活動も政府頼りが多くなっているとされています。こうしたことから地方には起業家的精神を持ったアクターが必要です。

地方分権の意味として、「責任、意思決定、またはコントロールの中心を、連邦政府から州、あるいは地方自治体レベルに移行すること」とされています。

これは同時に「地方分権は、連邦政府予算の削減(又は節約)を暗示することに用いられ、特定の政策領域における政府の役割を縮小あるいは制限する可能性を持っている」としています。つまり、さまざまな政策を地方自治体レベルで財源も含めて行わなければならず、政策形成過程の中で取捨選択をしなければならなくなります。

この過程において、「多くの政策決定者は、特に地方レベルの非政府組織が、変化をもたらすために必要な人的、経済的、及び社会的資本を構築する上で、より大きな役割を果たすよう期待」しています。ここに政策起業家の活躍の領域があると考えらます。特に農村や漁村などの過疎地ほど必要であるということが論文では言われています。

次回はその根拠について書きたいと思います。