ドイツ電力各社 火力発電で動き急ぐ

ロシアの天然ガスパイプライン(写真提供:Jo Goertz/E.ON)

原子力発電の完全廃止が決まったドイツで、電力各社はガスを燃料とする火力発電の強化に向けて次々と新戦略を打ち出している。

独メディアの報道によると、国内電力3位のENBWは、ガス供給事業でロシア国内2位のノヴァテックとの業務提携に向けて交渉中だ。ENBWはかねてから国外でもガス発電事業を展開する意図を明らかにしており、既にノルウェーのスタトイルとも交渉したとされる。フランクフルター・アルゲマイネ紙によると、ENBWは提携企業との合弁子会社設立や資本参加も検討しているという。

これに先立つ14日には、国内2位のRWEがロシア最大手のガス供給事業者ガスプロムと 業務提携に向けた基本覚書に調印。ガスプロムは今後RWEのガス火力発電への投資に参加し、RWEを通じてドイツ、英国、ベネルクスでの電力供給事業に参入する。

原発の稼動停止で財政難に直面しているRWEにとっては、ガスプロムとの提携で輸入天然ガスのコストダウンが見込める。ガスプロムにとっては西欧電力市場の門戸が開けた格好だ。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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