村田製作所は特殊なフィルムを使ったセンサーを開発したと、20日発表した。曲げたりねじったりすることで電気を発生させてそれを信号に変える。指の微妙な動きで操作するスマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機をターゲットにする。この技術を使った製品を来年までに商品化する予定だ。
このセンサーは新しい圧電フィルムを使ったもの。この種のフィルムは触ると電気を伝えるが、これまでは温度や曲げ、ねじりを感知できなかった。同社は関西大学と三井化学との共同研究で、新技術をつくりだした。
同社は機器のねじりに反応する「リーフグリップリモコン」(図表)と呼ばれる、プレートの曲げやねじりで操作するコントローラを開発した。これには光を受けると発電する「光電池」を搭載して、電池なしで稼働する。
また指の押す力を感知して反応する「タッチプレッシャーパッド」を開発。これを使ったスマホなどでは、使う人の動きをより詳細にとらえて反応の精度が上昇する。
最近はエネルギーの分野で、使われていない力をエネルギーに変える「エネルギーハーベスト」というアイデアが世界に広がる。村田製作所の技術はそれを反映したもので、人間の動作を使って発電するエコな商品生産につながる可能性がある。(オルタナ編集部=石井孝明)
村田製作所プレスリリース
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